変動金利の落とし穴!「未払利息」のリスクを知っておく

変動金利の落とし穴!「未払利息」のリスクを知っておく

2024/05/21 | タスクコラム

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

 

住宅ローンを検討中の方は、数千万円単位での借入額となり、金利によって返済総額も大幅に変わるため、よく理解した上で契約したいところですね。

「固定金利と変動金利どちらがよいのか」「固定金利と変動金利にはどのようなメリット・デメリットがあるのか」などの疑問にお答えしながら、固定金利と変動金利を選ぶ際のポイントについて解説します。

 

住宅ローンにおける固定金利と変動金利の違い

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

  • 固定金利
      固定金利期間選択型:一定期間のみ金利が変わらない
      全期間固定型:完済までずっと金利が変わらない

  • 変動金利
      銀行の短期プライムレートによって金利が変動するタイプ

 

固定金利は、その名の通り決められた期間については、市場金利の動きに関わらず金利が変わらないタイプです。
その中でも、住宅ローンの一定期間だけ金利が固定される固定金利期間選択と、全期間の金利が変わらない全期間固定金利型の2種類に分かれます。

一方の変動金利は、市場金利の動向によって金利が変動するタイプです。

 

固定金利期間選択型

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

 

固定金利期間選択型とは、借入する方が選択した期間中は、金利が固定されるタイプの住宅ローンです。2年、3年、5年、7年、10年、15年など、借入当初の固定金利期間を選択することができるのが特徴です。
一般的に、固定金利の期間が長いほど金利は高くなる傾向です。

 

●固定金利期間選択型のメリット

 

  • 一定期間金利を固定できる

  • 一定期間金利上昇リスクを避けられる

  • 全期間固定金利型と比較して金利が低い

 

固定金利期間選択型は、一定期間金利を固定できるため、子育てや教育などにお金がかかる期間は一定の支払額にして、住宅ローン借入当初の返済計画やライフプランが立てやすいという特徴があります。

また、固定金利期間中に市場金利が上がったとしても影響を受けないので、一時的な金利上昇リスクを避けることもできます。

 

●固定金利期間選択型のデメリット

 

  • 全期間の金利の固定ができないため、総返済額を確定できない

  • 固定金利期間終了後の変動金利に対して「5年ルール」「125%ルール」が適用されない

  • 再度固定金利期間選択型を選択した場合、手数料がかかるケースがある

 

固定金利期間選択型は全期間の金利が不明で総返済額を確定できないため、完済時までの超長期的な資産計画は立てにくくなります。

また、変動金利の場合に適用される5年ルールと125%ルールが、固定期間終了後の変動金利に対しては適用されません。(後述します)

 

全期間固定金利型

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

 

全期間固定金利型は、ローンの完済までずっと同じ金利の住宅ローンです。
全期間返済額が一定なので、総返済額を借り入れ時に確定できるのが特徴です。

 

●全期間固定金利型のメリット

 

  • 契約時点で全期間の返済額が確定できる

  • ライフプランが立てやすい

  • 金利上昇のリスクヘッジができる

 

また、ローンの返済期間中に金利が上昇したとしても影響はありません。
子育て世代のように、教育費や子育て費用など長期にわたってかかる見通しのある方や、金利上昇に関わらず返済額が安定してほしい人には、全期間固定金利型がおすすめです。

 

●全期間固定金利型のデメリット

 

  • 変動金利型固定金利期間選択型に比べて金利が高い

  • 市場金利が下がった場合、不利になる

 

完済時まで金利が変わらないということは、金利が下落した場合にも、返済額は下がらないため、その分については不利ということになります。

 

変動金利型

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

 

変動金利型は、住宅ローン借入期間中の金利が、市場金利に伴って変動する住宅ローンです。一般的には半年に一度、適用金利の見直しがおこなわれます。

住宅ローンの一般的な返済方法である元利均等返済の場合、通常5年ごとに返済金額は見直されます。
元利均等返済は、毎月の返済額が一定になるよう計算されたもので、借入した金額に対し発生する利息を合わせ、均等に返済していきます。返済が進むほど利息は減り、元金の返済額は増えていく仕組みです。

なお、もう一方の元金均等返済は、元金の返済のみがずっと均等であり、返済が進み住宅ローン残高が減るほど利息額も減っていく仕組みとなっています。

 

●変動金利型のメリット

 

  • 固定金利に比べて金利が低い

  • 過去最低の金利水準(2023年10月現在)

 

変動金利は、固定金利に比べて金利が低く設定されているのが一般的です。
また、変動金利型には支払額の激変緩和措置が設けられているため、金利が上昇したとしてもすぐに返済額も上がるというわけではありません。

家計に比較的余裕があり、自己資金が多く、貯蓄などで金利上昇に対応できる人は向いていると言えるでしょう。借入額が少ない、借入期間が短いといった人も、元本がより早く減っていくため、返済効率も高くなります。
繰り上げ返済を積極的におこない返済期間を短くすることも可能です。
金利の低い変動金利型なら元本が減るのも早くなり、ローン残高を減らしやすくなります。

 

●変動金利型のデメリット

 

  • 借入当初に総返済額の確定ができない

  • ライフプランを立てにくい

  • 市場金利が上昇すると、返済総額も上がる

 

変動金利型は金利が上下するごとに返済総額が変わり、どんなタイミングで金利が上昇するのかは予測がつかず、毎月の返済額も変わってくるため、長期的な資金計画・返済計画が立てにくくなります。
対して、変動金利を選ぶとデメリットの方が大きいのは、住宅ローンの支払いにより家計に余裕がないといったケース。30年、35年といった長期で借りている場合も、金利上昇リスクは高まります。そういった場合、確実に返済できる全期間固定型を選択すべきでしょう。

 

変動金利の落とし穴「未払利息」

変動金利型住宅ローンの金利は、通常半年ごとに見直されます。
一方、元利均等返済の返済額の見直しは、通常5年毎です。
返済額が変わらない5年間に急激に金利が上昇し、半年ごとの金利見直しで引き上げられると、利息部分の金額が返済額よりも多くなってしまう可能性があります。
この上回った部分の金額は、「未払利息」と呼ばれています。
(下記イメージ図参照)

変動金利の落とし穴!「未払利息」のリスクを知っておく

(引用元:(一社)全国銀行協会
変動金利住宅ローンの未払利息とは?

 

未払利息が発生すると、ローンの元金部分に充当される金額はゼロになります。つまり、ローン残高は減らなくなり、利息だけを支払っていく状態が続いてしまいます。
さらに、未払利息は支払われていない利息として蓄積されていきます。
その後、適用金利が下がったり、5年ごとの返済額見直しで返済額が増えたりすれば、未払利息が解消される可能性はありますが、そのままでは解消されないケースもあります。

 

★未払利息が解消されない場合

5年ごとの返済額見直し時には、一般的に「125%ルール」といわれる、返済額の増加を25%増を上限とする制度があります。

未払利息の精算の方法は、金融機関によって異なります。変動金利元利均等返済の返済プランでは、このような点にも注意が必要です。

 

金利タイプを選ぶときのポイントは?

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

 

●ライフプランに合わせて選ぶ

たとえば、子育て時期は固定金利期間選択型にして、子供の手が離れ共働きになってから変動金利型にするというパターンです。
また、金利上昇して毎月のローン返済が困難になる可能性がある場合は、全期間固定金利型を選ぶとよいでしょう。

変動金利型については、現在の金利が低水準であるため、将来的には金利上昇のリスクもあるものの、毎月のローン返済額を抑えられ、固定金利型に比べて金利が低いのがメリットです。

 

●固定金利型と変動金利型の違いをしっかりと理解する

それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、優先すべきことを確認しながら、ご自身に合った方を選ぶようにしましょう。

 

●返済シミュレーションをしてみる

金利タイプごとに、ライフプランに沿った総返済額をシミュレーションしてみるのもよいでしょう。

 

固定金利型と変動金利型はどちらがお得?

変動金利と固定金利の仕組みとリスクとは?

 

固定金利型変動金利型それぞれに一長一短があり、住宅ローンの返済は長期にわたるため、どちらがよりお得かというのは一概にはいえません。
ライフプランや考え方によって、選び方も変わります。

 

●低金利の魅力で約8割が変動金利型を選択

国土交通省の民間住宅ローンの2022年度の実績によると、個人向け住宅ローン新規貸出額における金利タイプの割合は、以下のような結果でした。

変動金利型…77.9%
全期間固定金利型…3.9%
・証券化ローン(フラット35等)…6.3%
・固定金利期間選択型…11.9%

 

参考:国土交通省
住宅ローン、変動金利型が根強く
~民間住宅ローンの令和4年度の実績を公表します~

 

まとめ:金利動向は予測できないからこそ、資金体力をつけておく

将来の金利の動向を正しく予測できれば、どちらの金利型が有利かを判断できますが、それはほぼ不可能です。

結局のところ、金利変動リスクにどれだけ対処できるかが、カギとなるでしょう。出来るだけ資金体力をつけておき、借入額を抑えられるようにするのがベストではあります。

できるだけ損をしたくない…ということであれば、繰り上げ返済を定期的に行い、借り入れ元金を少しでも早く減らしていくのも一つの方法です。無理のない返済可能額を基準にしながら、検討すべきでしょう。

また借り入れする銀行やプランによって保証料が無料になる場合もあるので、選択肢の条件に入れて検討しましょう。

 

 

 

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