和室壁をリフォームする方法と注意点。

和室壁をリフォームする方法と注意点。

2021/12/17 | リフォーム

和室聚楽壁の塗り替え工事を行いました。


こんにちは。

今週はガクンと朝が冷え込みますね。寒いの苦手なんです。。。

さて

部屋の冷えに対するお悩みの声も多く聞かれる師走。

こちらのお宅で断熱改修などヒアリングさせていただいている際に、

和室にいる時間が長いけれど、寒くて部屋が暗いという

お客様からのご意見がありました。

 

和室の定番土壁「聚楽」とは?

こちらの和室は昔ながらの塗り壁「聚楽(じゅらく)」を採用。

左官で仕上げる伝統的な工法で昔からの日本家屋に多く使われてきました。

土壁は「京壁」とも言われ、「聚楽壁」や「大津壁」などの種類があり、

茶室などにも多く使われてきたこの風合いはまさに

「侘び寂び」の世界観そのものかもしれませんね^^

本来は京都付近で採れる土を使用したものを聚楽壁としていましたが、

今では上記の仕上げを指していることが多いです。

 

左官職人が手で仕上げることで土ならではの

やわらかな質感と上品な美しさが和室に良く合いますが、

いわゆる土と草の色をしているので

どうしても光を吸収してしまう色調となり

部屋全体が暗く深ずんだイメージに感じてしまうのも否めません。

 


和室を漆喰に塗り替えるメリットは?

そこで聚楽の壁を、漆喰に塗り替えるご提案をしてみました。

漆喰は、石灰石からできた消石灰に砂や糊を混ぜて作られる、

自然素材の白い塗り壁です。

日本では古くからお城の壁や土蔵の壁に多く使われてきました。

 

漆喰の特徴は、空気中の二酸化炭素を吸収して、

少しずつ硬化していくので耐久性に優れています。

また、非常に火に強く防火性に優れていて、

万一の火災の時でも有害なガスが発生しません。

 

白い壁にすることで、窓からの明かりを反射させて

部屋全体が明るくなり、清涼感も生まれます。

 

聚楽壁の剥がし方とは?

壁の下地はそのまま使えるので、壁材である聚楽壁のみ剥がしていこうと思います。

スクレイパーという金属製のヘラで剥がしますが、

乾いたそのままの壁だと固くてなかなか剥がせません。

そこで繊維壁専用の剥離剤を水に溶いて聚楽壁に塗ります。

時間が経つとふやけて剥がしやすくなります。

和室聚楽捲り

 

剥離材自体は通販でも購入可能ですが、

専用の道具や脚立を揃えたり部屋全体を剥がすことを考えると

DIYでお手軽に…というのもちょっと厳しそうです^^;

 

職人さんの手でテキパキと剥がされていくのを見ているのは

なんだか気持ちが良いですね(笑)

 

 


漆喰の下地塗り

聚楽壁をきれいに剥がせたら、細かな砂埃などを掃除して

漆喰の下地塗りをしていきます。

シーラーとも呼ばれますが、壁面に浮いてくるシミやたばこのヤニ、

アクを止めることができる特徴のある下塗り塗料です。

適切な下地処理をしてきれいな仕上がりにしていきます。

和室聚楽捲り

 

和室聚楽捲り

 

和室塗り替え:漆喰下地

漆喰の下地処理が完了したところです。

 


漆喰上塗り前の養生貼り

仕上げの漆喰上塗りの前に要所に養生テープを貼っていきます。

マスキングテープとも言いますね。

あらゆる塗装に使われ、剥がしやすい万能テープ。

このテープがきれいに貼られていれば、

美しい塗りの直線が浮き上がります。

和室塗り替え:養生貼り

 

 

 


いよいよ漆喰上塗り

塗り方としては、パテ板に漆喰を取り、コテで前にすくいます。

壁の上から塗り始めて、下の方に向かって塗り広げます。

1~2mmの厚みで1回塗りが基本です。

また使うコテの種類によっても壁の表情が変わります。

ステンレスコテだと大きくつるんとした仕上がりに。

木コテだと細かい凹凸模様が現れます。

また漆喰材料に混ぜて使うカラーパウダーも色が豊富にあるので、

白以外にもいろんなカラーが楽しめます。

同系色の濃淡2色を使ってミックス塗りなんかもオシャレかもしれません^^

今回は「城かべ」を採用。

和室塗り替え:漆喰材料

 

和室塗り替え:漆喰材料

正しい分量で撹拌します。

 

和室塗り替え:漆喰上塗り

真っ白で明るい印象になりました!

 

 


和室聚楽壁塗り替えのまとめ


土壁を剥がすには専用の剥離材を塗り、

スクレイパーできれいに剥がしてから

漆喰の下地塗り(シーラー)をします。

その後漆喰の上塗りとなり、1~2cm厚に塗っていきます。

費用相場は、

既存壁の剥がしと新規壁の塗り、

諸経費 交通費、駐車場代、残材処分などで

6畳間の場合で約11万円程度となります。

部屋の作り(壁面の数や形状)によっては上がる場合もあります。

DIYでなんとかやってみたい!と思う方もいると思いますが、

仕上がりを「こんなもんでいいか」と割り切れる方、

道具を揃えることや準備、後始末、産廃処理などを苦に思わずできる方、

時間と労力を掛けられる方、

それら全てを楽しみながらできる方、なら良いかもしれません。

プロの左官工事は熟練された腕前で、

手際良く美しい壁を作り出してくれています。

そんな素敵な仕上がりを思うと

やはりプロにお願いしたい気持ちになるかもしれませんね^^

 

 

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