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竹小舞を活かし空間デザインに取り入れる。古さと新しさの融合を表現
こんにちは!
佐工務店の岩佐です。
今日もタスクリノベモデル&ワークショップスペースの
施工レポートをお届けいたします!
2023年5月
タスクリノベモデル&ワークショップスペースは
外部の進捗に合わせ、内部も同時進行。
内部は
古さと新しさの融合を表現し、
且つリノベの経過などが見える場所を作ります。
肝心要の要・要・要じゅん!と言う事で
じゅん!は全く関係なし・・・^_^
リノベモデルの「要」であります、
耐震改修、断熱改修の経過や施工方法を
意匠的にも違和感なく表現する工事が始まります。
よくある「見せる収納」的な、
「見せる耐震構造」
「見せる断熱構造」
ですね^_^
「意匠的にも違和感なく」
というところがポイント。
この古民家をインテリア的にも
おしゃれなイメージを出せるように、
古き良きものを残すリノベーションは
ポテンシャルの引き出し方を考えるのも
また楽しみです。
伝統的な日本古来からの技法「竹小舞」とは?
既存壁の表面だけ捲り、
荒壁を残した部分や
荒壁を撤去し、
竹小舞を現しにする部分などを作りました。
竹小舞とは、割った竹を縦横に組んだ壁下地を指します。
竹小舞土壁とは、竹小舞の壁下地を土台にした壁に、ワラを混ぜた土を何重にも塗り重ねて作る壁のことです。
50年ほど前までの昔ながらの日本家屋では一般的な工法でしたが、職人仕事となり手間も時間もかかり、便利な新建材も出てきたことから、年々少なくなってきました。
竹小舞土壁のメリットは、材料である竹や土を、輸送費をかけて遠方から取り寄せなくても、昔の人にとっては身近にある素材でした。
・土で覆われているため、燃えにくいため耐火性がある。
・自然素材であるため調湿性がある。
・しなやかな竹を組み、ワラを混ぜた土を重ねているため柔軟性が生まれ耐震性に貢献する。
・土が熱を吸収し、夏は涼しく、冬は暖かいという断熱性がある。
・組んだ竹と土壁の厚みにより音が伝わりにくいという遮音性がある。
また、土壁と漆喰はセットで使われることが多いですが、竹小舞土壁と昔ながらの方法で作られた本漆喰との相性は抜群です。
ちなみに古い家の壁をDIYする場合、
土壁に直接漆喰は濡れないのでご注意を。
竹小舞土壁の場合は、剥がすことができません。
剥がしていくと竹小舞にぶつかり、
さらに壁が貫通してしまいます。。
ケミカル素材の接着剤などで、まずは表面を固めるか、
新規のボードなどを貼り付けるなどが必要になります。
床については、
無断熱で土の床下の状況を見れる可視化床にする予定。
小舞を編んで補修したり、
荒壁の隙間を埋める作業など自身でも作業を楽しみました。
土壁の材料の土、すさ、小舞は地域の自然材料。
身近に手に入る材料で家造りをするのは
今では珍しいことになります。
大工さんによれば
昔は、近隣住民が集まって、
建前や小舞を編んだり、
荒壁をつける作業の補助をしていたそうです。
助け合う精神が日常にあり、
それが地域の活性化や繋がりを強くする機会でも
あったのかもしれません。
そんな話を聞けば、
自身で作業に没頭する傍ら、
古いもの好きにとっては
昔の風景が想像できる良い機会にもなりました。
とは言え
土壁を耐震要素として耐震設計を行う方法もありますが、
その為には、確実な施工方法が大前提になります。
実際に経験すれば、
当時の土壁を耐震要素に含まず
耐震設計する方が好ましいと思います。
今日も最後までご覧頂きありがとうございます♪
そんな貴方は夏季休暇中ですね。
では
次回vol6 「灼熱の中、蓄熱床を作る」
をご覧下さい。