変動金利が17年ぶりの金利上昇。住宅ローンはどうなる?

変動金利が17年ぶりの金利上昇。住宅ローンはどうなる?

2024/09/26 | タスクコラム

超低金利時代は終わる?ローン負担増と賃金の関係はどうなる?

 

低金利で人気の変動型住宅ローンの金利が、日本銀行による政策金利の0.25%への引き上げ決定に伴い、大手5大銀行でも足並みを揃えて企業に短期資金を貸し出す際の基準となる金利「短期プライムレート(短プラ)」を0.15%引き上げ、1.625%にすると発表しました。今回の引き上げは2007年3月以来、17年ぶりとなります。

 

日本経済新聞
日銀利上げ 住宅ローンへの影響と対策を動画で解説▶︎

 

「短プラ」は、契約者の約7割が利用する変動型の住宅ローン金利の指標となっており、「超低金利」が続いてきた変動型金利の上昇が本格化してきています。

既存のローン契約は10月に適用金利が見直され、2025年1月から利払い負担が増加するケースが出てきます。

 

金利の利上げは経済効果に好影響となるのか?返済計画の見直しを

 

日銀の植田和男総裁は記者会見で、「利上げは継続的な賃金上昇を見込んで決めた」とのこと。住宅ローンの5年ルールについても言及し、「賃金が先に上がっていき、そのあと利払い額が上がるということで、負担もかなり大きく軽減されると認識している」と述べました。

住宅ローン利用者の負担増までには時間がかかる見込みでもあります。
大半の銀行では毎月の住宅ローン返済額を5年ごとにしか調整できないため、適用金利が高くなり返済総額が増えることになっても、しばらくは月々の返済額が変わらないケースが多いと見込まれています。

ただ、早い段階でシミュレーションを行い、家族の人生設計も加味して、再度返済計画を見直しておくことが大切です。

今回は0.25%の利上げであるため「大きなインパクトはないと思われるが、消費意欲の停滞が懸念されています。

 

変動金利でも将来の利上げに備える方法とは?

 

●借入額を抑える

短期間で金利が急上昇するリスクは低いかもしれませんが、ずっと低金利が続くわけではありません。今後、金利が上昇していくことが見込まれますので、金利が上がっても返済を続けられる範囲の借入額に抑えることが重要です。

●固定金利の返済額との差額を貯蓄や運用にまわす

固定金利と変動金利の差額分を貯蓄しておくのも良いでしょう。
投資信託やNISAなどに運用する方法もあります。
手元にお金を残せるのが大きなメリットで、いざという時の医療費や教育費などに充てられるのも安心です。

●優遇幅が大きいタイミングで借りる

基準金利と変動金利との差を「優遇幅」と言いますが、近年の優遇幅は2%前後と非常に大きくなっています。今後、利上げが進むと優遇幅が縮小してしまうため、早めにローンを契約するか検討をした方が良いでしょう。

●値下がりしにくい物件を買う

何かの事情で家を手放さなければならなくなった時にローンが残っていると、問題になるのが売却価格とローンの残債です。ローン残債額より高く家が売れなければ、ローンが残ってしまうことになります。
より高く家を売却したい場合には、あらかじめ「値下がりしにくい物件」を購入することです。家のあるエリアや立地条件、広さや延べ床面積、住宅性能など、値下がりしにくい物件の条件にはさまざまなポイントがあります。
万が一、売却しなければいけないことも想定して、ローンを組むのか検討しましょう。

 

変動金利が上がっても慌てないために

 

日本銀行による政策金利の引き上げ決定に伴い、大手5大銀行でも短プラが引き上げとなったことで、住宅ローンの変動金利も上昇する見込みとなりました。
大事なことは、今後の収支を把握し、新しく設定される変動金利による返済シミュレーションを行い、しっかりと今後の計画を立てることです。その上で固定金利との差額を貯蓄や運用などに充てられると、いざという時の備えにもなります。
無理のない返済計画、建築計画で、自身にとっての住まいやすい家をプランニングしてみましょう。

 

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