リフォーム時に失敗しないフローリング選びの秘訣
2024/10/25 | タスクコラム 床/壁/窓/ドア目次
フローリングの貼り方でイメージが変わる!おしゃれな部屋づくりを叶えよう
フローリングは畳やカーペットと比べ、掃除がしやすく耐久性が高いため、現在住宅でもっとも使われており、人気の高い床材となっています。
家の新築やリフォームの時に、どのようにフローリングを選ぶと良いでしょうか?
フローリング選びの基本知識
●フローリングの種類と特性
フローリングは天然木の一枚ものの板を使った「無垢材フローリング」(単層)と、天然木を薄くスライスした月板や、化粧板引き板を合板に張った「複合フローリング」(複層)に大別されます。
「無垢材フローリング」は素材感があり、あたたかみがありますが、伸縮しやすくそのままで床暖房に対応するものが少ないのが現状です。
「複合フローリング」になるとソリが少なく、床暖房対応の製品が多く揃い、値段が比較的手頃です。
特に挽き板(ひきいた)を用いた製品の中には単層の木材と遜色ない表情のものも数多くある。木の硬さや変色の度合いなど樹種による特性もあるため、それらを考慮して選びたい。
また、木材の幅や貼り方によっても空間のイメージが変わります。
幅150mm以上のフローリングを貼ると目地が少なく、空間が広く見える効果もあります。
施工の手間がかかるとされていた寄せ木貼り(ヘリンボーン貼り)は、近年ではパネル化した製品が登場し、施工費を抑えながら個性的なデザインが叶えられています。
●フローリング材の無垢材の種類
フローリングに無垢材を用いた場合、木の香りや肌触り、木のぬくもりを楽しむことができます。また、お部屋に木の香りが漂ってリラックス効果があります。
さらに、無垢材自体が空気中の水分を吸ったり吐いたりすることで調湿作用もあり、部屋を快適な状態に保ってしてくれます。
一方で、この吸湿による膨張や伸縮で、板の寸法が変わるため、反りや割れの原因になることがありますので、加工時にしっかりと乾燥させる必要があります。
そして無垢材は、時間が立つことで色合いが変化して味わいが増してくるのも特徴の一つです。定期的にワックス・オイルによるお手入れが必要ですが、経年変化を楽しむこともできます。
●スギ(杉)
杉は、日本の建築の木材として非常によく使用されている樹種の一つです。
木目も鮮やかで明るい印象があります。やわらかく、弾力性にも優れているので、足裏の感触もなじみが良い感じです。
●ヒノキ(檜)
ヒノキは水に強いのが特徴で「檜風呂」などに使われる木材です。香りにはリラックス効果がありますが、害虫が嫌う成分も含まれています。
癖のない木目で、固く強度や耐久性もあり、経年変化で色が濃くなりうっすらとアメ色に変化していきます。
●アカシア
原木のアカシアは中心付近は濃く暗い色合いで、外側は明るめの色合いとなるため、切り出した床板をフローリングに敷き詰めた時、1枚1枚の床板の色合いの不均一さが見られます。デザイン的にその色調のリズムを楽しむことができます。
材質としては固く耐久性があります。腐りにくく屋外の建材としてもよく使われています。
●パイン(松)
パインはスギ材と同じく針葉樹で柔らかい樹種となります。断熱性があって、肌ざわりがよく足元にあたたかみを感じます。
全体的に白っぽい色合いが多く、経年変化で茶系の色味になっていきます。節が多いのも特徴的で、温かみのある、素朴で居心地の良い雰囲気を演出します。
●オーク(楢・ナラ)
広葉樹であるオークはウイスキーやワインの樽などの材料として用いられてきた材木で、耐水性、耐久性に優れています。硬さがあり傷や凹みがつきにくいのが特徴です。そのため店舗の床板に使用されることもあります。明るい色味で、木目もくっきりしています。虎斑(とらふ)と呼ばれる杢(もく)が所々に現れます。
広葉樹の中では比較的手頃な無垢フローリング材となっています。
●ウォルナット(胡桃・くるみ)
ウォルナット材とは、胡桃(くるみ)の木のことで、ブラックウォルナットは高級材です。暗めのしっとりした色合いと、重厚感のある木目が美しい木材です。
少し高価ですが、乾燥時に歪みや狂いが少なく非常に硬いので、傷がつきにくく、耐久性が高いのが特徴です。
●チーク
東南アジア原産のしっかり乾燥させたチークは、堅く強靭で耐久性があり、伸縮率が小さいため、高級木材として古く寺院などに使われていました。
天然の油分を多く含むことから海水にも腐食しにくく、防虫性にも優れるため船の甲板にも使われています。
油分による茶褐色の艶っぽい風合いがあり、高級感があります。
●バーチ(樺、カバ、カバザクラ)
桜(山桜)類と木目がよく似ていて、粘り・強度もあり加工しやすい材木です。木の色目は、ナチュラルな風合いで、節が少なく落ち着いた木目。
ほどよい光沢感があり、優しく上品な印象のフローリングに仕上がります。
年数を経ても変色しにくく、硬すぎず柔らかすぎず、足に負担がかかりにくいのが特徴です。
価格的にも手頃で、フローリングに取り入れやすい人気の床材です。
●フローリングの貼り方の種類
フローリングは、同じ素材の板でも幅や貼り方によって印象が大きく変わってきます。
●乱尺張り
長さの違うフローリング材を使い、つなぎ目がランダムになるように張る方法で、もっともよく採用されている張り方です。
●りゃんこ張り
同じ寸法のフローリング材を、一定の間隔で交互にずらして張る方法です。木目のつなぎ目が揃うため、整然とした印象になります。
●斜め張り
フローリング材を壁に対して斜めに張っていく方法です。動きのある床の印象になります。
●すだれ張り
同じ長さのフローリング材を、つなぎ目をそろえて張る方法です。板のつなぎ目が一直線にそろい、整然とした印象になります。
●市松張り
床板数枚を一方向に並べたものを、縦横に組み合わせて市松模様に仕上げる張り方です。和風でレトロな印象を与えます。
●ヘリボーン張り
「へリン」は魚のニシンの呼称され「ボーン」は骨、あわせて「ヘリンボーン」、魚の背骨をイメージさせる形が由来とされています。
フローリング材で直角を作るように斜めに張っていく方法です。西洋風のレトロな雰囲気になります。
また、同じ貼り方でも木の材質や色合いによって、やさしい印象になったり、重厚な印象になったりとさまざまです。
フローリング選びで後悔しないための注意点
●リフォームに適したフローリングの選び方
リフォームでフローリングを選ぶ際は、素材やデザインだけでなく、上張りの可否や後悔しない色選び、そしてカーテンとのコーディネートまで、様々な要素を考慮することが大切です。
●上張りについて
上張りとは、古い床の上に新しい床材を重ねて張るリフォーム方法です。
一見、張り替えの手間がない様に思えますが、家具や戸口がフィットしなくなったり、つまずきの原因になることも。
このような問題を防ぐため、段差対策は重要なポイントの一つです。
対策としては、特に薄型のフローリング材を選ぶことが有効です。
市場には1.5mmから6mmの範囲で様々な厚さの重ね張り専用フローリング材が提供されているので、これらを利用することで段差を最小限に抑えられます。
また、敷居との間に見切り材を設置し、段差を緩やかな傾斜にすることも一つの方法です。これにより、つまずきリスクを軽減し、安全性を高めることができます。
注意したいのは、既存の床(フローリング)に腐食や劣化が見られる場合は補修が必要です。そして床鳴りしている場合は、重ね張りのフローリングリーフォームでは床鳴りの解消はできません。
またカーペットやクッションフロアの上に重ね貼りはできないので、貼り替えが必要になります。
●フローリングとカーテンの相性は?
床材をアクセントカラーにして、居室によって個性を出すのもおすすめです。
例えば書斎は少しダークな床材にしてみたり、子供部屋は明るいパイン材にしたりなどです。
また、カーテンとのコーディネートも部屋の印象を左右します。
カーテンの色選びに悩んだときは、床やフローリングの色を基準にしてみましょう。
床はお部屋のカラーコーディネートの基本となる色です。
インテリアのカラー配分は、「配色黄金比」があります。
■配色黄金比■
ベースカラー(70%) 壁・床・天井
メインカラー(25%) カーテン・ラグ・家具
アクセントカラー(5%) クッション・小物など
床と同系色のカーテンであれば、部屋の統一感や広がりはでますが、やや単調な印象も。
床と同じトーン(明度)のピンクやブルー、グリーンなど違う色を選ぶと、まとまり感のある印象にできます。
明るい色の床には、ホワイト、アイボリー、ライトグレーなど淡い色のカーテンがよく合います。色彩のあるカーテンを使うときも、パステルカラーやペールトーンを選ぶようにします。
ナチュラルブラウンやミディアムブラウンは、比較的どんな色のカーテンも合います。
ベージュやグリーン、ネイビーやブラウンなど深みのある色とも相性が良いです。
ダークブラウンの床は大人の落ちつきと重厚感があるため、濃い色のカーテンを合わせるとさらに重い印象になるので要注意です。
ライトグレーやライトグリーン、イエローなど明るい色を選び、部屋の印象を中和すると良いでしょう。
●掃除とメンテナンスのしやすさを考えたフローリング選び
リフォームでフローリングを選ぶ際、デザイン性だけでなく、掃除やメンテナンスのしやすさも重要なポイントです。毎日のお掃除を楽にするためにも、素材や表面の仕上げなど、様々な要素を考慮しましょう。特に、ワックスがけや無垢材に関する疑問、ヤスリによる黒ずみや穴の補修など、具体的な悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
●掃除のしやすいフローリングの素材は?
無垢材: 自然な風合いが魅力ですが、凹凸があり、汚れが入り込みやすい面も。定期的なワックスがけが必要になります。
複合フローリング:
無垢材のような見た目を持ちながら、表面がフラットなので掃除がしやすいです。ワックスがけは不要なものが多く、お手入れが簡単です。
シートフローリング:
表面がフラットで、水拭きも可能。掃除が非常に簡単です。ワックスがけも不要で、お手入れが非常に簡単です。
クッションフロア:
表面がツルツルしており、水拭きもでき、汚れが落ちやすい。キッチンや洗面所など、水を使う場所にも適しています。ワックスがけは不要です。
継ぎ目が少なく幅が広い板の方が、目地が少なめになるので掃除の負担を減らせます。
●フローリングのヤスリがけについて
経年劣化や傷の補修で無垢のフローリングをヤスリがけする方法もあります。
表面を研磨することで、新品のような状態に戻すことができるというメリットがありますが、デメリットとしては無垢材の厚みが薄くなるため、何度も繰り返すことはできません。また、素人の方が行うと、かえって傷をつけてしまう可能性があります。
補修したい一部分だけを行なった場合、他の箇所との差が目立ってしまう場合もあるので、慎重に行うか、プロの業者に依頼するのが良いかもしれません。
機能性を重視したフローリング選び
●床暖房対応フローリングの選び方
床暖房には熱線を張り巡らしたシート状の「シート式床暖房」と、お湯を熱源としてパネル状にして床材の下地に施工して循環させる「温水式床暖房」があります。
床暖房と相性の良いフローリングを選ぶことは、冬でも快適な居室と見た目にもスッキリと美しい空間を実現するために重要な要素です。
床暖房に対応したフローリングとは、どんなものでしょうか?種類別に見ていきましょう。
複合フローリング:
合板を基材とし表面に無垢の突板やシートなどで構成される。通常のフローリングに比べ合板基材や表面の塗装など温度変化にも対応した様々な工夫が施されており、最も多く流通。熱伝導率が高く、効率的に床暖房の熱を部屋全体に伝えることが可能。
挽板材タイプの複合フローリング:
合板基材に無垢の挽板材(2~4mm)を貼り合わせた複合フローリング。幅広の無垢材を貼り合わせている為、無垢のような意匠性や機能性にも優れている。無垢材と比べ収縮のリスクも少ない。高付加価値の商品が多く、コストが割高になる。
無垢材:
熱伝導率は低いが、無垢の質感を楽しむことが出来る。規格(75mm巾・ウレタン塗装)に制限があり、商品価格や施工費が高価になりがち。乾燥による収縮や反り、割れの可能性があるため注意が必要。
厚みが薄めのフローリングの方が、熱が伝わりやすいためおすすめです。
●ペットと暮らすためのフローリング
ペットとの暮らしに最適なフローリングを選ぶことで、愛らしいペットとの時間をより快適に過ごすことができます。
ただし、すべすべした無垢フローリングの床は、ペットにとって滑りやすい環境かもしれません。家の中も走り回るペットにとっては滑りやすい床は足腰の負担になり、病気やけがの原因になることもあります。できるだけペットに負担がかからないよう、安心して過ごせる木材や塗料を選んであげたいですね。
複合フローリング:
耐水性が高く、汚れが付きにくいため、お手入れが簡単です。
ただし、オシッコの後はすぐに消毒用エタノールなどで掃除をしないとシミになるので要注意です。
シートフローリング:
クッションフロアとも言われ、水拭きも可能。ペットの爪痕による傷が付きにくく、掃除も楽に行えます。
無垢材:
基本的に滑りやすいですが、オシッコなどの水分が染み込みにくい硬めの木材「ナラ」に滑りにくい自然塗料を使うことで解消できます。
ただし、オシッコの後はすぐに消毒用エタノールなどで掃除をしないとシミになるので要注意です。
コルクタイル:
滑りにくくクッション性があるため、ペットが足を滑らせにくくて安全な素材。ただし、粗相をするとシミになりやすいです。
ペットが滑ってケガをするのを防ぐため、エンボス加工など、滑りにくい表面のものを選ぶと良いでしょう。
「滑り配慮塗装」もしくは「アレル物質抑制」のいずれかを備えた床材も出てきています。
●耐久性の高いフローリングの選び方
長期間にわたって美しい状態を保ちたい方は、耐久性の高いフローリングを選ぶことも大切です。
木材フローリングであれば、定期的なメンテナンスが必要です。
また、UV塗装や表面の強化塗装など、塗材の種類によって耐久性を上げることも可能です。フローリング材の厚みが厚いほど、耐久性が保たれる傾向にあります。
複合フローリング: 表面が硬く、傷つきにくいものが多く、耐久性が高いです。
反りや収縮のリスクが少なく、安定しています。耐衝撃性、耐摩耗性、抗アレルゲンなどの機能を向上させている製品も数多くあります。
無垢フローリング:自然オイルなどの浸透性塗料仕上げであれば、傷や汚れをサンドペーパーで削って修復できるため、30年以上使用することができます。ヒノキやチェストナット、チークなどの硬い木材が使われることが多く、一般的に劣化することはありません。
フローリング選びは好みだけでなくライフスタイルや機能性も考える
リフォームや新築する際、フローリング選びは、色、カーテンや家具とのコーディネート、床暖房の有無、ペットの有無など、好みやデザイン以外にも様々な要素を考慮することが大切です。
後悔しないために、事前にしっかりと情報収集し、専門家の意見も参考にしながら、最適な床材を選び素敵なフローリングを叶えてくださいね。
フローリングの選び方についてお悩みや疑問点があれば、お気軽に弊社へご相談ください。
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