災害に耐えうるレジリエンス住宅とは?
2022/09/23 | タスクコラム台風・地震大国、日本の備え方を考える
※イメージ画像(引用元:写真AC)
こんにちは!
佐工務店の岩佐です。
レジリエンス住宅って聞いたことありますか?
平常時にはエネルギー使用量を抑え、
災害時には自立してエネルギー供給が
できる住宅のことです。
また耐震性もあり、1年を通して快適な
気温で過ごせることも重要です。
「レジリエンス(resilience)」とは本来、
心理学用語で「精神的回復」「抵抗力」
「復元力」「耐久力」と訳されています。
最近では大手住宅メーカーによってこれらの
研究、商品開発がされています。
日本は台風大国でもあり、
地震大国でもあります。
もし不測の事態となった時、、、
ただ助けが来るのをじっと
待っているしかないのでしょうか?
災害時に1ヶ月暮らせる家を目指す
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レジリエンス住宅は前述したように
抵抗力や耐久力、回復力が
備わっている家ですが、
具体的にはどんなことなのでしょうか。
平常時:家の脆弱性をなくし住まう人の健康や安全を保てているか
低光熱費で年中快適な温度環境に保てる「断熱性」
夏場は家の中で熱中症にならないように、居間や寝室にエアコンを設置しましょう。
冬場は風呂やトイレが寒いと、心臓や血管に負担をかけます。
健康のためにはできるだけ家の中の温度を一定に保つのが望ましいです。
高齢者や障害のある方でも暮らしやすい「バリアフリー性」
つまずきやすい段差がないか、生活動線も大切です。
不審者や空き巣の侵入を防止する「防犯性」
不審者を寄せ付けないために人感センサー付き照明を取り入れると、
防犯対策や夜間の帰宅時にも役立ちます。
経済的にも環境的にもエコにできる「太陽光発電や蓄電設備」
災害時:災害を想定した対策ができているか
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建築基準法の基準を上回る
「耐震性」が高い住宅ほど、
地震の被害を抑えられます。
ガスや電気が地震を感知して
自動停止するシステムであれば、
地震による火災を防げます。
また火災時に被害(延焼や倒壊など)
を抑える「防火性」のある建材を
使うことも大切です。
大型家具の転倒防止をするだけでも、
地震による被害を減らせます。
雨戸やシャッターを設置すると、
台風時に窓ガラスが割れる
被害も抑えられます。
このほか、
台風・豪雪・洪水等、
地域のリスクに合った
「防災対策」をしているか
今一度見直しておきましょう。
災害後:素早く回復して生活できること
地震で倒壊しない頑丈な家を建てても、
ライフラインが断たれれば
通常の生活ができなくなります。
ライフラインの復旧には時間がかかるので
長期間の不便に耐えられる準備が必要です。
-
太陽光発電や蓄電池などの「非常用電源」
-
貯水槽や給湯設備の貯湯タンクなど「生活用水の備蓄」
-
使いやすい収納スペースと「食料や飲用水の備蓄」
整然としまえて取り出しやすい
「防災グッズの備蓄」をしているか
食料・医薬品・生理用品・
持病の薬などの備蓄は十分か
なども確認しておきましょう。
停電に備えて水をビニールに入れて
冷凍庫で凍らせておけば、
暫くは食品を冷蔵できますし、
溶けた氷は飲料水としても使えます。
浸水や豪雪の心配がある地域などでは
2階以上のフロアに防災グッズを保管するのも良いです。
各階でいろんな災害を想定して
防災対策をしておくと良いですね。
基本である平常時から住宅性能が高く
暮らしやすい家が鍵となるようです。
家のレジリエンスを高めるために必要なこと
レジリエンス住宅は、次世代型の高性能住宅です。
-
使用エネルギーの収支がゼロ(または、ほぼゼロ)になる仕組
-
年中快適な温度環境で過ごせる断熱性や気密性
-
災害時に人命を守れる高い耐久性
-
罹災後も、長期にわたって自立した生活がおくれる機能や設備
「日本サステナブル建築協会」がまとめた「CASBEE-レジリエンス住宅チェックリスト」で、自宅のレジリエンス度をご確認いただくとよいでしょう。
避難経路もしっかり把握しておく
レジリエンス住宅を建てたからといって絶対安心、と考えるのは危険です。
いざというときには命を守る行動を取るためにも、
地域の避難経路、避難場所はしっかり把握しておきましょう。
国土交通省
ハザードマップポータルサイト▶︎
レジリエンス住宅のメリット
※イメージ画像(引用元:写真AC)
被災しても「在宅避難」が可能に
レジリエンス住宅の強みと言えば「回復力」。
浸水しない家・浮く家・洗える家など、
近年開発された水害対策住宅もあり、
以下の性能を持っています。
-
水の侵入を防ぐ
-
水が侵入しても、抜きやすい
-
ぬれても再利用できる
-
再利用できない建材の交換が容易にできる
家計の節約につながる
レジリエンス住宅は、
高い省エネ性があり保温能力が高く、
少ないエネルギーで室温を一定に保てますので、
月々の光熱費が安くなります。
太陽光発電システムを取り入れることで、
日々の電気代も抑えられます。
快適な環境で健康を守ることで
医療費の低減も期待できます。
温度差が少ない快適な環境を保つことで
体へのストレスが減り、
ヒートショック等の病気になるリスクが
下がると言われています。
ちなみに、国土交通省がまとめた資料によると、
室温18度以下の住宅に住む人は
18度以上の住宅に住む人に比べて
以下のリスクがあるそうです。
-
総コレステロール:2.6倍
-
心電図異常所見あり:1.9倍
-
ヒートショックリスク:約1.8倍
レジリエンス住宅のデメリット
ここまで読んでいただいた方は
もうお察しの通りだと思いますが、
レジリエンス住宅は諸々の
住宅性能をアップさせるために
建材費や施工費などでコストがかかります。
また太陽光発電や蓄電池等の設備は、
維持管理費がかかります。
この分を被災した時の保険のようなものと捉えて
先行投資するという考え方もできます。
もう一つが、レジリエンス住宅は
まだあまり普及していません。
現在建設可能な会社が少ないうえ、
災害対策の技術自体がまだ研究途上です。
とはいえ「レジリエンス住宅」は大注目のテーマです。
大手ハウスメーカーでは以下のような
システムの導入が進んでいます。
-
断水時に生活用水として使える雨水利用システム
-
3電池(太陽電池、燃料電池、蓄電池)給電システム
-
家と電気自動車(HVやPHV)を繋ぎ、車から給電するシステム
-
グループ会社一丸で初動・診断・保険手続代行・補修をフォロー
台風・地震大国、日本の備え方のまとめ
※イメージ画像(引用元:写真AC)
災害は待ったなしです。
家をいきなり完璧な状態にリフォームや
新築するのは難しいかもしれませんが、
断熱改修、太陽光発電、2週間〜1ヶ月程度
持ち堪えられるような備蓄をできる収納など
手の届く範囲でも準備しておける
方法を考えることは可能です。
特に生きるために必要な
「水」と「火(電気)」と「食料」
これをどのようにどれだけ備蓄して
おけるかが鍵となります。
備えあれば憂なし。
今年は厳しい寒さになるとの予報が出ています。
今から給湯器の点検や断熱改修
なども検討してみてください。
けれど、万が一の時には家にこだわらず
命を守るための行動を。
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